福岡市博多区の店舗で雨漏り発生|パラペットの構造的なリスクと瓦の漆喰劣化が原因だった!
2025.10.04 (Sat) 更新
福岡市博多区の店舗で雨漏り発生|パラペットの構造的なリスクと瓦の漆喰劣化が原因だった!
皆様こんにちは!屋根工事専門店 住みたかルーフです!
今回は、福岡市博多区で行った雨漏り調査についてご報告します。
現場は、洋服のお直しを行う店舗兼住宅でした。
お客様からは以下のようなご相談をいただきました。
「最近、天井に雨染みができているのに気づきました。しかも、屋根の漆喰が風で落ちてきたんです…。お店を営業しているので、早めに見に来ていただけませんか?」
お住まいは1階が店舗、2階が住居という構造で、雨漏りによる被害は店舗部分の天井に集中していました。
衛生面や営業への影響も考慮し、迅速に現地調査を実施。
調査の結果、次の2つの大きな劣化症状を確認しました。
- 瓦屋根の漆喰の剥がれ・ひび割れ
- パラペット構造に生じたクラックと防水の劣化
これらの不具合は、雨漏りの直接的な原因となりうるもので、修繕を急ぐ必要がありました。
雨漏りの主な原因①:パラペット構造の雨水滞留リスク
まず注目したいのが、パラペット構造です。
外観は一見すると「陸屋根(平らな屋根)」のように見えますが、実際には瓦屋根の周囲を壁のように囲った構造になっていました。
このパラペットという立ち上がり構造は、次のような機能と特徴があります。
- 落下防止や意匠性(デザイン)のために設置される
- 屋根と外壁の間を美しく見せるための外観上の工夫
- ビルや商業施設、デザイン性を重視した戸建てにも多く採用される
しかし、この構造には大きな弱点もあります。
▼パラペット構造が引き起こす雨漏りのリスク
パラペットは、屋根に溜まった雨水の「出口」を制限してしまう性質があります。
通常の屋根は傾斜によって雨水をスムーズに排水できますが、パラペットで囲われることで、次のような問題が発生しやすくなります。
- 雨水が「排水口」に集中しやすく、オーバーフローが起こりやすい
- パラペットと屋根の接合部(取り合い)が複雑で、防水処理が劣化しやすい
- 一度劣化すると、じわじわと雨水が侵入し、建物内部に雨漏りを起こす
今回の現場では、パラペットの壁にクラック(ひび割れ)が複数確認され、雨水の侵入経路となっている可能性が非常に高いと判断されました。
雨漏りの主な原因②:漆喰の剥がれと瓦屋根の隙間
屋根上を調査したところ、瓦と瓦の間を埋める漆喰(しっくい)部分の劣化が各所で見受けられました。
本来、漆喰は次のような役割を担っています。
- 瓦の固定と補強
- 棟の中にある土台部分を雨水や風から保護
- 雨水の侵入を防ぐ「防水機能の補助」
しかし今回の屋根では、漆喰に以下の劣化が発生していました。
▼漆喰の主な劣化内容
症状 | 詳細な影響 |
---|---|
ひび割れ | 雨水が浸入しやすくなり、内部の土台や木部が湿気る |
剥がれ落ち | 棟瓦の固定力が落ち、強風や地震でズレや崩れの原因に |
欠け・薄くなっている | 防水力の低下。湿気がこもりやすく、カビの温床になる |
漆喰の劣化は、「今すぐ雨漏りするわけではないけど、確実に進行していく劣化」です。
今回のケースでも、漆喰の一部が風で飛ばされたことがあったとお客様から伺い、放置は非常に危険と判断しました。
今回ご提案した修繕内容
調査結果とお客様のご要望をふまえ、以下の修繕プランをご案内しました。
-
劣化した漆喰の詰め直し(棟部分を中心に)
-
パラペットのクラック補修および防水処理の再施工
-
必要に応じて、防水塗装の塗り直しや排水設備の清掃
これにより、現在発生している雨漏りの原因をしっかりと解消し、今後の二次被害(木部の腐食やカビ発生など)も未然に防ぐことが可能になります。
店舗・商業施設の雨漏りは早期対応がカギ!
今回は、店舗兼住宅というケースでしたが、商業施設やテナントビルでは雨漏りによる営業停止・顧客離れのリスクもあります。
とくに以下のような症状がある場合は、早めの点検が非常に重要です。
- 天井にうっすらと雨染みが見える
- 雨の日にポタポタと音がする
- 壁にカビ臭さや湿気を感じる
- 漆喰や屋根材が剥がれ落ちてきた
これらはすべて雨漏りの初期兆候です。
見た目は問題なさそうでも、内部ではすでに水がまわっているケースも珍しくありません。
まとめ:パラペット構造+瓦屋根は要注意!点検はプロにお任せください
今回の調査では、パラペット構造が原因で排水性が悪くなり、防水処理の劣化とあいまって雨漏りが発生していることが判明しました。
加えて、漆喰のひび割れや剥がれも雨水の侵入経路となり、建物内部に影響を与えていました。
雨漏りの初期対応を誤ると、以下のような被害が拡大していきます。
- 天井材の腐食や剥がれ
- 壁材の変色・カビの発生
- 店舗設備の劣化や衛生面の問題
- 木材・構造躯体の腐食
店舗兼住宅、テナント、オフィスビルなどの建物でも、屋根の構造・素材に応じた適切なメンテナンスが必要です!
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